2026年7月中旬、佐賀県基山町で地域住民を対象にした学校給食センターの見学・試食会が開催されました。
毎年夏休みに実施されているイベントで、定員は60名。30名ずつが参加する、2部制で行われます。
徹底された衛生管理や調理現場を実際に見学・体験することで、学校給食への理解を深めるとともに、子どもたちの健康を支える食育の重要性を伝えることを目的としています。

校舎1階に給食センターがある基山小学校
基山小学校の給食センターでは、町内にある3つの公立小中学校の給食を作っています。地域の子どもたちのために、現在は毎日1,700食もの給食を調理している施設です。

特大の調理道具

調理道具は大人の背丈ほどもあります
見学会当日の小学校の廊下には、給食センターの一日の流れを説明する手作りの資料や調理道具の見本などが展示してあり、これから始まる見学会への期待をかき立ててくれます。
案内された教室で、参加者の親子はマスク、エプロン、三角巾を着用して準備完了。
センター見学前に、栄養教諭から給食がどのように作られ、子どもたちの元に届けられるのか動画を見ながら説明を聞きます。

栄養教諭から給食センターの役割説明

大量の給食が作られる様子に興味津々
ただただ大量に作るのではなく、基山町の学校給食センターでは安心・安全に配慮して地元ならではの食材を使い、アレルギー4品目(卵・乳・えび・かに)にも、きめ細かく対応しています。
給食作りの段取りと流れを学んでから、いよいよ調理室へ。
調理員の仕事は、毎朝8時30分から始まります。
調理室手前の下処理室では、野菜のごみを取り除き、異物が混入していないかを厳しくチェック。日ごろ見ることの少ない「野菜の花クイズ」には、子どもたちも興味津々でした。

重さを量り、丁寧にごみや異物を取り除く

クイズコーナー「これ見たことある」など声が飛び交います
そして、調理室に入る前には驚きのルーティンが。
調理員は爪の間までブラシで洗う徹底的な手洗いに加え、衣服についたホコリを除去するためのエアシャワーをくぐり、調理員同士の身支度のチェックを経てようやく中へと進みます。
手洗いブラシは一人一人、専用のものが用意されているという「標準的な手洗い」です。

マニュアルに沿ってしっかり手洗い

ホコリを吹き飛ばすエアシャワー
一歩足を踏み入れた調理室は、すべてが圧巻のスケール感。
お米は毎日、一度に133㎏を炊きます。お米6㎏に水を入れると14㎏にもなる専用の炊飯鍋をいくつも運ぶという、準備の体験も。
一度に560人分もの炒め物が作れるという巨大な鍋の存在や、人気メニューの「レモン煮」は朝から100㎏もの鶏肉を揚げっぱなしというエピソードにも、驚きの声が上がっていました。

お米と水で14㎏の炊飯鍋を運びます

実際の調理道具を使っての体験

つぎ分けの作業も実際やってみると難しい

揚げ物は丁寧に温度チェックまで

切る食材によって変わる自動カッターの展示
食材のカットは機械だけでなく、手作業を組み合わせ、サイズなどの状態を確認しながら行われています。また、お味噌汁の出汁もメニューにあわせた配合で、素材から丁寧にとっているそうです。
さらに驚かされるのが、一般家庭では考えられない、徹底した衛生管理。食中毒を防ぐため、きゅうりなどの生野菜は一度蒸して真空冷却し、冷たいまま教室に届けられます。ミニトマトや果物も、酢水を使ってしっかり消毒されるそう。

和え物は低温管理された部屋で調理
温かいものも冷たいものも、すべての料理において温度管理が徹底しており、出来上がり時だけでなく、配送前後の温度まで何度も細かく測り記録されています。
こうして手間暇かけて作られた1,700食の給食は、午前11時45分頃に配送の準備が完了。
各クラスに配膳されるご飯やおかずの量は、日々の食べ残し、食べっぷりを計算して分配されています。

ご飯の量、実はクラスによって違います

若基小、基山中へは専用トラックで運びます
給食の配膳後も、センターの仕事は終わりません。
回収された食器は、食べ残しを分別して軽く下洗いした後、大型食洗器ラインへ。高温の熱水と洗剤で一気に自動洗浄されます。
最後は、手作業でクラスごとの枚数や洗い残しを一枚ずつ厳しく確認。仕上げに高温の消毒保管庫で完全に乾燥・殺菌し、翌日に備えられます。

大量の食器を一気に洗浄

洗い残しの確認と枚数確認は手作業!

中学生(左)、アレルギー対応食(中央)、小学生(右)
小中学生で配膳用トレーの色が変わり、アレルギーをもつ子どもには、トレーの色だけでなく蓋つきの容器で異物の混入を防ぐ配慮がされています。
見学でお腹がぺこぺこになったところで、いよいよお楽しみの試食会です。
目の前に並ぶのは、先ほど給食センターで調理風景を見たばかりの、愛情とこだわりが詰まった給食。厳重な温度管理のおかげで、温かいものは温かく、冷たいものはよく冷えた最高の状態で味わうことができます。
2026年の試食会のメニューは、チキンライス、フリフリチキン、のり塩ポテト、オレンジポンチでした。

この日の献立。小学生はいつもより量が多め?

できたての給食をおいしくいただきます
佐賀県基山町の学校給食センター見学会・試食会では、給食センターで働く調理員の皆さんとの会話やコミュニケーションで、その人柄とやさしさを感じることができます。
毎年、夏休み期間中に実施されている見学・試食会は、現役小学生の親子に限らず、基山町に住まいがある人なら年齢を問わず、誰でも参加が可能。地元の給食作りの現場に関心がある大人にも、開かれた見学会です。
見学会の参加者募集は、例年、基山町広報7月号などで告知が行われます。
