2019年、佐賀県基山町に初めての「こども食堂」がオープンしています。
基山モール商店街にある居酒屋「やんややんや」が、さが・こども未来応援基金の支援を受けて始めた、今回の試み。2019年9月に開店してから、試行錯誤の運営が続いています。
これまで数回にわたって開かれている「こども食堂」、回数を重ねるごとに口コミで訪れる親子が増えつつあるんだとか。
気になる現場の様子を取材してきました。
基山町のこども食堂は、毎月第2、第3木曜日の16時から18時までの2時間、居酒屋「やんややんや」のお店の中にオープンしています。利用は予約優先ですが、当日準備した食材に余裕があれば、基山町内に住む子どもなら誰でも迎え入れてくれるそう。
基山町内の子どもは無料で夜ご飯を食べることができるという、この食堂。ボランティアスタッフに挨拶をしてから、食事はバイキング形式で自分で準備し、食器の片付けまでを手伝います。
平日の夕方なので、噂を聞きつけた仕事帰りの親子も訪れてワイワイガヤガヤ、おしゃべりしながら子どもたちが食事を楽しみます。相席なので人と人との距離が近く、緊張感も少しずつほぐれていくよう。保護者は子どもを見守りながら、ボランティアさんとの会話も弾みます。
基山町のこども食堂は、基本的に保護者による送迎と見守りが必須。学童や習い事、託児施設ではないので、利用は各自の自己責任となっています。
こども食堂と聞くと、全国的な報道で「困っている家庭や子どもたちの支援」というイメージを思い浮かべる読者もいるかもしれませんが、基山町のこども食堂は違います。
そのコンセプトは、「子どもが町内で顔見知りを作る場所」。
「やんややんや」店長の平野さんは、生粋の基山町育ち。
「僕の小さい頃、モール商店街は学校帰りの子どもたちの遊び場だった。時代は変わったけれど、学校帰りに気軽に寄ってもらえる場所を作りたかった」と、自分のできることを考えたんだそう。
「誰かと一緒に食べたい」「親子でゆっくり話したい」「顔見知りを増やしたい」「子どもの食事の準備をしなくていいから楽!」「チラシで気になって来てみた」…食堂を訪れた各家庭のきっかけはさまざまですが、そこからリピーターも増えつつあります。
実際に、食堂に集まる保護者同士で子どもの見守りを介した交流も、生まれつつあるんだとか。すでにボランティアとして地元中学生も参加しており、こども食堂の活動が続くことで濃い地域交流の場になる可能性を秘めています。
基山こども食堂の予約や利用に関する詳しいお問い合わせは、電話やSNSで受け付け中。ボランティアの参加や無償の食材提供も、広く募集しています。
※2019年12月はインフルエンザ流行拡散防止のため、お休みすることが決まりました!ご注意ください。
問い合わせは、火曜日から木曜日の13時〜21時に対応しています。