20年ぶりに基山町で行われた、基山町長選挙。大字基山でも速報をお届けしました。
今後、地元で語り継がれることになるかもしれない選挙です。この機会に、開票作業は普段どのように行われているのか、当選発表の瞬間に立ち会うべく、現場を取材してきました。
町内各区ごとに設置された投票所では、20時ピッタリに投票受付が締め切りとなります。
20時、投票所である一階ロビーを除いて真っ暗な町役場
その後、投票箱は投票所関係者によって「選挙基山町開票所」に集められます。基山町の開票所は毎回、基山町総合体育館です。
ヘッドライトに照らされた体育館正面
20時すぎ、慌ただしく進められる会場準備
大字基山の取材に戸惑いつつ、投票箱を待ち構える職員
開票所の準備と開票作業を行うのは、役場職員の皆さん。気心知れた仲間同士、時には談笑しつつ、スーツ姿でテキパキと動かれていました。
最初の投票箱、到着!
受付で不備がないか、チェック
そして20時15分を過ぎた頃から、ぞくぞくと各区の投票箱が到着。重たそうな投票箱やジェラルミンケースを抱えた担当職員や地元関係者が、足早に受付に入ってきます。運び込まれた投票箱は、開票所内に整然と並べられ、「いよいよ結果が出るのだ」という緊張感が高まります。
開封を待つ投票箱たち
開票作業を行う職員たちも集まり始め…
直立不動で静かに時を待ちます
県内報道陣も特設席でスタンバイ
2階席から開票の様子を見守る人も
会場の準備が整い、21時ごろ、開票作業が始まりました。立会人たちがあらためて、会場内の投票箱に不審な点がないか確認。注意事項が述べられてから、いっせいに箱が開けられ、中の投票用紙が外の空気に触れる瞬間がやってきます。
鍵が開けられた箱の中身がすべて出され、報道陣によるカメラシャッター音が響く中、開票スタート!
卓上にバラバラと、山盛りになった投票用紙を人の手で集めて、揃えて重ねていきます。
一斉に作業が始まります
裏表関係なく票をきちんと揃え…
次々と、自動判別機で候補者別に票を分けます
体育館備品の卓球台上に正式名称「自書式投票用紙読取分類機」
両面読み取り機能付きで、投票用紙に書かれた手書き文字(漢字・ひらがな・カタカナ)を毎分660票ものスピードで識別し、候補者別 (政党名別) に自動分類する機械が導入されてから、一気に時間短縮できるようになったという開票作業。
自動で候補者別に分けられた票は、次に、職員による目視で間違いがないか確認されます。
候補者別に奥と手前の3卓に別れ、目視で検証
不審な点や間違いがないか、じっくり読みます
判断が難しい票は別卓で話し合いながら検証
2階の観覧席からも熱視線が注がれます
最終チェックが終わった票は自動集計
集計が終わった票は500枚ずつ束ねられて、候補者別に並びます
2階の観覧席からは、双眼鏡を手に、開票の行方を見守る関係者の姿がちらほら。応援する候補者の情勢をいち早く把握しようと、皆さん真剣です。
緊張感と高揚感がピークに達する観客席
集計と同時並行して撤収作業も進みます
最後に、立会人による承認を経て…
最終結果がアナウンスされ、開票作業終了です
21時ごろからスタートした、今回の開票作業。開票率100%で当確が発表されたのは、作業開始から約1時間後、21時55分というスピード感でした。
役場職員によるキビキビとした、チームワークによる開票作業の一部始終。
報道関係者によると、規模の大小はあれど、実はスムーズに揉め事もなく開票作業が終了することは珍しいんだとか。最後の最後まで、判別のつかない票や白票についてクレームがついたり、審議が行われることも多々あるそう。
有権者は、投票時にはできるだけ候補者フルネームや政党名を分かりやすく、かつ、余計な言葉や「○」「、」など記号や落書きをうっかり書いてしまわないように、気をつけた方が良さそうです。
最後まで見守っていた皆さんも、お疲れ様でした!
そして観客席では、親子で開票作業を見守っていた方も。おおよその情勢を確認して去っていく方もいれば、最後まで真剣に見つめる方もいたりと、さまざまです。地元の方に話をうかがったところ、時にはビールとつまみを手に見守るベテランの選挙好きもいるんだとか…。
基山町の選挙開票所はこのように、毎回、誰でも興味関心がある方は見学ができるようになっています。