毎年5月中旬から梅雨入り前、夏の気配を感じ始めるこの時期は、基山町にもホタル鑑賞のシーズンが訪れます。
5月の日没は19時すぎ。あたりが真っ暗闇になるのは、20時を過ぎた頃です。
日がとっぷり沈んでから、真っ暗になった町内の河川付近を散歩すると…かなりの確率で、ホタルが飛び交う姿を見ることができます。
毎年のように、家族でホタル鑑賞の夜歩きをされる方も、いらっしゃるかもしれませんね。
遡ること大正時代末期、秋光川にはホタル養殖の研究所があり、夜な夜な大勢の人が博多方面から列車に乗ってホタル観光にやってくる…そんな歴史もあった、基山町のホタル。
今回は、「基山町の自然と蛍を愛する会」会長の平尾紘一さんにお聞きして、町内でもオススメの鑑賞スポットを訪れてみました!
毎年、町内でホタル鑑賞会を開催している「基山町の自然と蛍を愛する会」。2018年は5月18日、19日、20日の3日間、20時から21時にかけて、ボランティアが無償で案内をしてくれます(雨天時は中止)。
その会場が、県道17号線宮浦IC入り口すぐの、JAさが基山地区共乾施設です。
こちらの共乾施設は、ホタルの時期に限って、個人の責任で敷地内に車を駐車して良いそうです。
駐車場そばに、ホタルがいそうな水が流れる場所は2つ。
駐車場に入る手前にある、整備された小川。ご近所の方によると、5月GW明けからちらほらとホタルが飛び始めてるよ!とのこと。
「愛する会」平尾さんいわく、「桜の早い年は、ホタルも早い」。年々、ホタルの時期は早まりつつあるんだとか。
撮影日前に周辺の草刈りが行われていたらしく、日が沈んでから実際に飛んでいたホタルは数匹ほど。しかし川沿いにホタルが生息しているのは、しっかり確認できました。
施設の裏手には水田が広がっており、地図には載っていない農業用水のせせらぎが。こちらが、今回のホタル鑑賞の大本命です!
20時を過ぎて、いつどこで光るのかなぁとうずうずし始めてから…しばらくして…。
ぞくぞくと姿を現しはじめた、ホタルたち!基山町を飛ぶホタルは、ゲンジボタルです。幼虫の時は清流に棲み、エサとなる貝を食べているそう。成虫になってからの命は、わずか10日ほどです。
はかない美しさ、ですね。
そして21時ごろ。せせらぎ沿いをホタルが飛び交う様は、圧巻の一言!!
プロカメラマンの手による、光を当てない特殊な方法で撮影した、ホタル乱舞の写真をお楽しみください。
基山町のホタルが乱舞する様子、いかがでしたか?
町でホタルに一番詳しい団体がイチオシする、ホタル鑑賞スポットにふさわしい現場であること、読者の皆さんにも伝わったのではないでしょうか。
撮影日は、ざっと見積もっても、20匹以上が飛び交っていたように思います。
時期やその日の気候条件によって、ホタルが飛び始める時間帯は変わりますが、20時過ぎにはしっかりと、元気なホタルの様子を楽しむことができそうです。
特に、風がない、湿度の高い夜…雨上がりの夜なんかは、ホタルがたくさん飛ぶんだとか。
真っ暗闇で足元が悪い場所もあるため、自己責任で安全第一で!はかない命に思いやりを持って、大切なホタル生息地を荒らさないように注意しながら、近所へホタル鑑賞にお出かけしてみましょう。
宮浦インターすぐ
「基山町の自然と蛍を愛する会」会長 平尾紘一
撮影協力:LINUS 宮本薫