学校や仕事。そこに家事や育児、介護、etc.
誰しも年齢を重ねると、家庭や職場で自分のための時間が少なくなり、誰かのための時間が多くなっていくような…。時間を持て余すようになるらしい、いわゆる「老後」がどんどん遠くなる、令和の世。
自分が自分らしくいるために…現役世代の私たちが欲しているのは、「時間」です。
そんなルールの元、非日常を求めてちょっと特別な遠出をしてみたいと始まった、おでかけ企画「3 hours」。
おでかけ先は、佐賀県基山町から出発して、片道最大で1時間かかる距離。朝9時に自宅を出発して、現地滞在時間を含めると、15時前には帰宅できる計算です。
つまり1日24時間のうち、最大5時間がフリータイム。
頑張っている自分に、大切な人に、たまには「時間」をプレゼントしてみませんか。
今回のおでかけ先は、2019年3月にリニューアルオープンしたばかりの「福岡市美術館」。福岡市中央区、大濠公園の敷地内にあります。
佐賀県基山町から一般道を使ったドライブで60分、有料道路を利用して40分ほどの場所にあります。美術館専用駐車場の利用料金は1時間200円(普通車)、26台の駐車が可能。混雑時には周辺の有料駐車場を利用します。
公共交通機関を利用しても、おでかけできます。その場合はJRや地下鉄・バス等を乗り継ぐため、移動に90分は見込んでおきたいところです。
福岡市美術館は1979年(昭和54年)に開館。日本近代建築の巨匠・前川國男(1905~1986)による設計で、広い「エスプラナード」と呼ばれる広場のような空間と、ロビーを中心とした展示室等の配置が特徴的とされています。来館者が目的とする展示室に、なかなか辿り着けない設計になっているのです。
なぜならば…。
この配置には、建築家の意図が隠されています。
つまり、来館者は、展示室に入って作品を見る前にこの広い空間を通ることで、自らが日常から切り離され、これから芸術体験をするための準備をすることになるのです。公式ホームページより
まさに、非日常を求める私たちにぴったりの空間です!
建物の老朽化にともなって、2016年から約2年半もの間、リニューアル工事のため一時休館。大濠公園側から直接出入りができるアプローチを新設し、2019年3月21日にリニューアルオープンしました。
通常のコレクション展・企画展は、大人1名200円で鑑賞できます。特別展は別料金。福岡市美術館所蔵のコレクションは、古美術と近現代美術の両方にまたがるのが特長です。その時々のアートや名品に触れて、思いっきり非日常を堪能したいですね。
美術館の1階、アプローチ広場の横にはガラス張りの「カフェ アクアム」。2階には大濠公園から百道浜方面を一望できる「レストラン プルヌス」があります。どちらもホテルニューオータニ博多が運営しているため、飲食サービスは間違いなしのクオリティ。
上質な空間で背伸びして、たまにはちょっと贅沢に…自分へのご褒美に、利用してみたい。
1階エントランスロビーにあるミュージアムショップは、目に楽しいグッズがたくさん。美術館の所蔵品をモチーフにしたオリジナル商品はもちろんのこと、地元アーティストによるグッズや伝統工芸品が所狭しと並んでいます。
ここでしか買えないグッズにあれこれと目移りしていたら、あっという間に「3時間」。そろそろ帰宅の時間です。
何を隠そう、福岡市美術館のある大濠公園周辺は、福岡でも屈指の人気おでかけスポット。
中でも、およそ800mにわたって約100本のけやきが植えられている「けやき通り」は、ハイセンスなショップが立ち並ぶ大人向けのおしゃれストリート!美術館を出て国体道路沿いを警固方面に歩き出せば、気になるお店が次から次へと登場します。
余裕があれば美術館から徒歩圏内のお店も巡りたいところですが、今日は残念ながら、時間切れ。
次回の「3時間」はどこへ、おでかけしましょうか…?
取材・写真・文:江藤裕子
モデル協力:Ayako