佐賀県基山町発ローカルメディア〜おおあざきやま〜

丁寧な手作り品を販売する鳥栖市・ふもと刑務所「矯正展」、2025年開催の様子

鳥栖市山浦町にある「ふもと刑務所」で毎年秋に開催されている、受刑者たちの手による作業製品を展示即売するイベント「ふもと矯正展」。

麓刑務所は、九州で唯一の女子受刑者の刑務所です。収容定員は302人で、現在約200人が入所しているとのこと(2025年11月現在)。約150人の職員が交代で勤務し、日々の作業指導や生活支援を行っています。

第36回ふもと矯正展の会場の様子

2025年は11月1日・2日の二日間にわたって開催された「第36回ふもと矯正展」は、朝から秋晴れ。家族連れや地域の人々が訪れ、会場は活気に包まれていました。

入場ゲートの先に会場と駐車場があります

ふもと矯正展は例年2日間の開催で、約5,000人の来場者が訪れるという一大イベントです。普段は非公開の刑務所の中を歩ける特別な日であり、恒例として先着100名様に粗品がプレゼントされるため、開場前から並ぶイベントのファンもいます。

当日の開場は9時半でしたが、9時にはすでに50名ほどの来場者の列ができていました。

先着100名にスティック石鹸「ブルーススティック」

販売所や特殊車両展示、ステージイベントなど

入場ゲートを抜けると2会場に分かれており、第1会場は屋外で、第2会場は屋内です。

制服姿の職員さんたちが来場者に対応する様子は、刑務所という場所の「怖い」「暗い」印象を感じない温かさがあります。

オープンと同時に人だかりができていたのは、受刑者が製作した「刑務作業製品」が並ぶ、管内矯正施設販売所。

丁寧な手仕事で仕上げられた木工製品や革小物、日用品などが手ごろな価格で販売されていました。

手仕事作品を購入できる販売所が人気

小物以外に大きめのバッグなど革製品も

先着プレゼントだったスティック石鹸や折り紙、自由帳、紙ひこうきの販売も行われています。木工作品も大きなものから小さなものまで、丁寧な手仕事が光る作品ばかり。

木工製品は、大小さまざまなグッズ

受刑者が作った跳び箱も商品!

マニアに大人気という「マル獄」製品も

他にも麓刑務所では、佐賀県に伝わる伝統的な技術・佐賀錦を使用した小物や、福岡県の伝統工芸品である久留米絣の素材の良さを生かした布小物の製作など、地域の特性を活かした製品を手作りしているそう。

屋内の会場には、刑務官制服の試着や革小物製作体験ブース、パネル展示、保護犬譲渡広報、採用広報のブースもありました。

刑務所内の施設見学は予約不要

矯正展では、お買い物を楽しむだけでなく、普段立ち入ることのできない施設内部の一部も希望者に公開されています(施設内部の撮影不可)。

当日受付の見学時間は約20分

受刑者が日々作業を行う作業場所や、浴室、体育館などを見学できます。見学ルートには、日用品や衣類、寝具の展示、生活空間を再現した模型も設けられ、清潔に整えられた空間の中で規律正しく過ごす受刑者の日々を感じられる内容です。

受刑者の社会復帰を支援する仕組みなどの紹介もあり、見学者は熱心に耳を傾け、質疑応答も活発に行われていました。

矯正展は全国各地で開催されています

ふもと矯正展の屋外ステージでは、保育園児によるお遊戯や地元中学校吹奏楽部による演奏なども行われていました。

自衛隊による特殊車両の展示等もあり、ふもと矯正展は見どころたっぷりの、なごやかな雰囲気のお祭りです。

刑務所の敷地内とは思えない、なごやかな雰囲気

特殊車両の展示や乗車、自衛官の制服の試着も

実際に現地に足を運んでみると、来場者に対応する刑務所職員の真摯な姿が印象に残るイベントです。そして、受刑者が丁寧に作り上げた製品からは、刑務期間中の思いや努力が伝わってくるよう。

「刑務所」と聞くと、遠い世界のことのように思える平和な日々を送っていても、「更生」という言葉の重みをより身近に感じるきっかけになるはず!

私たちの暮らしの身近にある刑務所、その中で更生に向けた日々を送る受刑者たちと作品を通して交流できる「矯正展」は、毎年10月から12月にかけて全国各地の刑務所などで実施されています。

場所ごあんない

麓刑務所
  • 住所:佐賀県鳥栖市山浦町2635

アクセス

  • JR新鳥栖駅から徒歩15分
  • 緑ヶ丘バス停から徒歩1分

お問合せ

  • 麓刑務所TEL:0942₋82₋2121

関連リンク

SNSでフォローする

メニューは表示されません