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【佐賀県基山町ではじめる介護】ケアマネジャーさんのハナシ

11月は大字基山の介護強化月間。介護入門編として特集記事をお届けしています。

介護を始めるにあたって、私たちが一番お世話になるかもしれないケアマネジャー。

最終回となる今回、そのケアマネジャーが所属する「地域包括支援センター」の役割やケアマネジャーのお仕事について、詳しく話を聞いて来ました。

お話をうかがったのは、基山地区地域包括支援センターの所長でケアマネジャーの、栁順子さんです。

地域包括支援センターは地域のよろず相談窓口!

——まず、地域包括支援センターについて教えてください。

基山地区のセンターは、平成18年にできました。ここでは主任ケアマネジャー1名、ケアマネジャー2名、社会福祉士、保健師の5名体制で運営しています。主任ケアマネジャー、社会福祉士、保健士の3職種の人が居るのが、「地域包括支援センター」の特徴です。

 

ケアマネジャー(介護支援専門員)

介護保険法に基づいて定められたケアマネージメントの専門職。介護保険の要介護認定で要支援・要介護と認定された人が適切なサービスを受け、自立した日常生活を送れるように、ケアプランを作成したり、自治体・各種サービス事業者・介護保険施設との間で連絡調整を行う。 

goo辞書より

社会福祉士

昭和62年(1987)に成立した「社会福祉士及び介護福祉士法」による国家資格。身体的・精神的な障害などのため日常生活に支障がある人に関する相談に応じ、援助を行う。

goo辞書より

保健師

保健指導に当たる専門職。専門教育を受け、国家試験に合格して厚生労働大臣の免許を受けた人がなる。

goo辞書より

 

地域包括支援センターは主に高齢者支援の窓口になっていますが、その内容は介護保険サービスに関することだけではありません。

例えば、あるおじいちゃんの悩み事は自分自身の生活のことに限らず、自分以外の家族のことだったり、孫のことだったりすることもあります。そんな時でも、私たちケアマネジャーが他の必要な施設や機関と連携して、一緒に問題解決を目指します。ご本人の医療的な相談があれば保健師と動きますし、認知症などでお金の管理が心配になれば社会福祉士と動き、虐待防止について対応することだってあります。

高齢になっても住み慣れた町で安心して暮らしていけるように、必要な援助や支援を行う総合相談窓口が、地域包括支援センターなんです。

センターのパンフレット。業務内容が紹介されています。

——実際に相談件数はどのくらいあるのでしょうか。

基山地区ですと、ひと月に延べ90から100件ぐらいあります。同じ相談者と何度も電話でお話しすることもありますし、新規の相談のお電話もあります。

——介護保険サービス利用者が主に話すことになるのは、ケアマネージャーですよね?

そうですね。介護保険サービス以外でも、なんでもケアマネージャーに相談してくださって大丈夫です。

例えば身体の調子が悪い時、内科を受診?それとも泌尿器科?など、症状によってはどこで受診したらいいのか、悩むことがありますよね。それと同様に、どこに誰に相談すればいいのか分からない、ケアマネージャーに相談していいのかどうかさえも分からない。そんな時こそ地域包括支援センターに連絡してきてほしい!と思っているのです。

私たちが、高齢者の相談のワンストップになっています。

基山町の寿楽園の看板

基山地区地域包括支援センターがある寿楽園は昭和27年、戦争で身寄りを失った高齢者を支えることを目的に基山町で設立。今では全国各地に活動拠点があります

地域包括支援センターと役場窓口の違い

——初心者の発想かもしれませんが…介護については右も左も分からないので、最初はなんでも役場に相談すればいいと思っていました。

役場は、介護保険など「申請」を受け付ける場所です。申請して、それが認められた後の「お世話」は、役場ではできません。介護認定が下りてから、ケアマネジャーにケアプランを立ててもらったり事業所を紹介してもらったり、結局ケアマネジャーが必要になります。

一方、センターにまず相談いただければ、私たちが代わりに皆さんから預かった申請書類を役場に届けます。そして、申請の結果が出るころ相談者に「そろそろ結果はでましたか?どうでしたか?」などお聞きして、その後のサービスについて対応していきます。

相談を受けてから、最終的には介護保険やそれ以外の様々なサービスを利用して問題解決まで繋げる、それがケアマネジャーの仕事です。

初めての介護相談はぜひ、役場ではなくケアマネージャーのいる地域包括支援センターへ!

——センターに相談すれば、そこまでを無料で、していただけるんですもんね!そして介護認定が下りなくても、引き続き相談にはのってくれる、と。

ケアマネジャーは相談者の困りごとを解決するためにいますから、介護保険を利用することで解決するのであればそのために動きます。たとえ介護保険の認定が下りなくても、困りごとを解決するためにあらゆる方法を相談者と一緒に考えていきます。保険を利用しなくても、民間サービスがありますから。

例えば、食事作りが大変だという場合にはお弁当の宅配がありますし、家から出かけられない方のための訪問理美容、買い物代行などいろいろあります。私たちはそういう地域の情報「社会資源」を常に集めストックしていますので、いろんなサポートをご提案できますよ。

義父が利用している民間サービスの宅配お弁当。週1回夕食に利用しています。

どうすればいいのか分からないときは、いつでもセンターに相談してきてください。介護保険を利用するかどうかもわからない、なんだか不安だ、というお話でも大丈夫です。定期的に町内で相談会も行っているので、気軽にお話しに来てください。

——介護保険を絶対に利用しないと無理、ダメ、というわけではないんですね。

介護保険利用は、あくまでも問題解決の手段の一つです。介護保険サービスを受けるだけで解決することもありますし、それ以外のサービスとの組み合わせで解決を図ることもあります。

介護保険サービスは、自分のできる範囲で自立した日常生活を送ることを目的としていますから、普段の家事…掃除洗濯やお風呂など、そういった支援が中心です。そして、庭の草むしりや換気扇掃除など対応できないこともありますが、どうしてもお困りの場合にはヘルパーさんに保険外で、自費でサービスをしてもらうことは可能です。他にもシルバー人材センターを利用するなど、いろいろな方法をご提案しています。

それと、全てをヘルパーさんにお任せということではなく、ご本人が運動したり家事の練習をしたり、自助努力も必要ですのでそういったサポートも行いつつ、利用者さんにも自立した生活を目指してもらいます。

介護保健サービスでは、自分がこうなりたい!と目標をもって頑張ることが大切です。(画像:パンフレット「元気になる介護保険の使い方」より)

——家事のお手伝いといっても、介護保険サービスでは出来ないこともあるんですね。他にも、あまり知られていない注意点などありますか。

介護保険に加入することで発行される介護保険証がありますが、これがあればいつでもサービスを受けられると勘違いしてしまう場合もあります。サービス利用には申請などの手続きが必要で、すぐに利用可能というわけではないので、気を付けていただきたいところです。

介護保険サービスの利用は決して「甘え」ではない、と語る栁さん

もうひとつ、知られていない…というか、皆さんに知ってほしいなぁと思うことがあります。

それまで支援していたご家族が、もう支えきれない、一緒には暮らせない、ということで相談にいらっしゃるケースについてです。もう自宅でのお世話だけでは限界なので、施設に入所させてください、ということですね。ご本人も同意していれば問題ないのですが、ご本人はまだ自宅で暮らしていたいけど家族が困っていて…という時が大変です。

でも実は、本当はもっと早い段階でご相談いただけていれば、介護保険利用やさまざまな手段で、ご家族の負担を軽くして同居を続けることだって可能だったケースが多いのです。例えば、軽度の認知症でご家族がお困りだったら通院をお勧めする、施設の短期入所でご家族の負担を軽くするとか、ヘルパーの利用を増やすなど。

出張の相談会は毎月第1、3木曜日9:30~11:30に基山町社会福祉協議会で開催。電話相談も、もちろんOK!

いろんな方法があるけれども、一度もご相談なくご家族のみで頑張りすぎてしまった結果、「もうダメ!」となってしまう…。ぜひそうなる前に、早めに、なんでもないことかもしれないけれど、ご相談いただければと思っています。

——相談の結果、何も決まらなくても、お話しするだけで気持ちが軽くなったりしますものね。

そうです。私たちとお話して「すっきりしたわ!」だけでも十分なんです。ぜひご家庭だけで抱え込まず、いつでもなんでも、お話してくれればと思います。

——大字基山の読者の中には、まだまだ介護には縁遠い方も多いと思いますが…だからこそ、伝えたいことはありますか?

高齢者が高齢者を支える世の中になってきていますが、それも限界が見えつつあります。日中お時間がある方などが高齢者と関わるボランティアをしてくださったり、近隣の方と日常生活でちょっと困っている高齢者とのマッチングがこれからは大事だと考えています。

基山町は車がないと動きにくいのですが、コミュニティバスのバス停までご自宅が遠かったりと、不便な生活をされている高齢者もいらっしゃいます。そういう時に、例えば隣の若い世代の方に「お買物に行きますが、よければ乗っていきますか?」など一声かけてもらえればとっても嬉しいと思うんです。お店では別行動でも、行きと帰りだけでも乗車させてもらえればありがたいことでしょう。

近隣の方のちょっとした支えがあれば、その方はいつもの町でいつもの暮らしを続けていくことができるのです。

ゴミを出すとき「持っていきましょうか?」とか、たとえゴミ出しでなくても「今日はお隣さんに声をかけてもらったわ♪」と気分が良くなる高齢者だっているのです。ご近所づきあいのちょっと延長線として、お近くのおじいちゃん、おばあちゃんたちに声をかけてもらえると嬉しいですね。

異なる世代同士、お互いが無理なく支え合って暮らしていきたいですね!

インタビューを終えて

みなさん、いかがでしたか?基山町で始める介護について、少しイメージができましたでしょうか?

介護保険サービスを利用しながら、義理の両親の生活をお手伝いし始めた私自身、まだまだ知らない話がたくさんあり、勉強になったインタビューでした。

今回、介護入門として特集したテーマは自宅での介護支援が中心となりましたが、医療系のサポートが入るとまた少し異なるサービスもあり、まだまだ奥が深いようです…。

結論「介護は、何でも地域包括支援センターに相談すれば良い!」

突然始まるかもしれない、身近な高齢者のサポート。しかし不安に思うことはありません。知らないことも分からないことも、一緒に考えてくれるプロたちが地域に、基山町に、いるのです。それを知っただけで、あなたがこれから経験するかもしれない介護の心配はぐっと減りましたよ♪

11月の介護強化月間特集記事は以上です。長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。

それではみなさま、どうぞ心身ともにお元気で!

 

基山地区地域包括支援センターのごあんない

寿楽園

電車・バスでのアクセス

◎ JR鹿児島本線 基山駅からの巡回バスに乗って約5分。

車でのアクセス

◎ 高速道路鳥栖ICから約15分。

◎ 久留米基山筑紫野線(旧鳥栖、筑紫野有料道路)園部ICから約2分。

営業時間・定休日

  • 営業時間:月曜から金曜(元旦を除く)8:30~17:30
  • 定休日:土日、元旦

お問い合わせ

TEL:0942-81-7039(直通)

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おまけのお知らせ

12月10日(日)基山町ふれあいフェスタ

基山町保健センター1階にて介護相談ブースを設けております。健康に関する測定も行いますので、ぜひお立ち寄りください!

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大字基山編集部メンバー 長野県出身。2児の母。 オタクな人と湿原を愛する。
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