そんなルールの元、非日常を求めてちょっと特別な遠出を提案する、おでかけレポート「3 hours(スリーアワーズ)」。
福岡県との県境に位置する佐賀県基山町を朝に出発して、現地滞在3時間、夕方までには戻って来られる散策コースをご紹介します。
頑張っている自分に、大切な人に、たまには「時間」をプレゼントしてみませんか。
コロナ対策の「密」を避けて、休暇が取れた平日のおでかけも、これから少しずつ楽しめますように。
佐賀県唐津市といえば、「呼子のいか活き造り」や「波戸岬のサザエの壺焼き」、「虹の松原」など、海のイメージを思い浮かべる方が多いかもしれません。
今回の目的地は、そんな唐津の山間部「七山エリア」。
佐賀県基山町から七山まで、高速道路・長崎自動車道を利用すると片道約1時間。一般道でも、1時間20分ほどで到着します。
7つの山にいだかれた美しい紅葉スポットと、日本の滝百選にも選ばれた「観音の滝」、地元の素材をふんだんに使った「季節の会席」でお腹を満たして、温泉とお買い物。
季節それぞれの楽しみ方ができる、七山の魅力をぎゅっと詰め込んだ、3時間の「オトナのお忍びデート」に出かけてきました。
まずは、「観音の滝無料駐車場」に車を停めて、のんびり七山観光をしていきましょう。遊歩道は整備されていますが、歩きやすい靴の方が散策しやすいです。
観音大橋から見る「観音の滝」
無料駐車場から観音の滝に降りるには、ふたつの入り口があります。
ひとつ目は、観音大橋の左側から滝のある遊歩道への階段を降りていくルート。
観音大橋の左側から滝のある遊歩道への階段
ふたつ目は、駐車場を出て左側に少し登ったところから、生目観音に向かって歩いていくルートです。
生目観音に向かって歩いていくルートの入り口
今回はふたつ目の生目観音を通るルートで、最初の目的地「観音の滝」まで降りていきます。
駐車場から5分ほど歩くと、滝の中央部を見下ろせる場所があります。秋は紅葉のトンネルが、滝壺まで続いています。
秋は美しい紅葉のトンネルに
滝壺の近くには、眼病に悩む参拝者が多く訪れる「生目観音」が、まつられています。
生目観音には独特の願掛け法があり、絵馬や手ぬぐいに自分の年齢の数と同じ「目」の字を書くというもの。幼い子どもたちは、ひらがなで「め」を書いて願掛けをしているようです。
珍しい願掛けの絵馬や手ぬぐいに見入ってしまう
「生目観音」のさらに奥に、滝の上流の岩場に出られる小道が続いています。大きな岩をつたっていくと、木々と水飛沫をあげながら流れる川をバックに写真撮影ができる、絶好の映えスポットが!
岩場は、上流を背に撮るのがオススメ
夏は新緑、秋は紅葉が美しい場所です。大きな岩の上を渡っていくので、デート中の手繋ぎスポットにもなっています。
元来た道を戻り、生目観音の祠を過ぎたあたりに、今度は下流まで降りていく階段があります。観音の滝は落差45メートルもあるため、下まで降りるのに5分ほどかかります。
のんびり階段を降りながら、森林浴
観音の滝へ続く遊歩道
降りきった場所から左側には、滝の方へ近づける小道があり、右側に進むと紅葉の美しい遊歩道につながっています。
滝の真下近くでは、水の流れ落ちる壮大な音の中で、マイナスイオンを浴びながら「男滝」と称される滝の全景を見上げることができます。
間近に迫る滝は大迫力!
他にも、「観音の滝遊歩道」は、8つの滝と淵で構成された渓谷に沿って散策できます。朱色の橋も数多く点在しており、山の緑や紅葉と相まって、とても美しい景色が楽しめる場所。
七山の木々が彩り豊かに色づくのは、11月初旬から12月の中旬にかけての時期です。
無料配布中の「ななやま紅葉マップ」が便利!
野鳥も多く、カワセミ、セキレイなどもいるそうですよ。時間に余裕があれば、散策しがいのある絶景スポットです。
のんびり滝を眺める東家もあります
散策には、観音の滝無料駐車場をご利用ください。
散策してお腹が空いてきたら、七山の中心部「鳴神公園エリア」へ。
産直市場「鳴神の庄」の駐車場の公園側と、鳴神公園の裏に駐車場が2ヶ所用意されています。
七山には美味しい食事がいただけるお店がいくつもあるのですが、今回は鳴神公園近くの「柚里(ゆずり)」へ。
落ち着いた純和風の外観「柚里」
「柚里」は、美味しいお蕎麦やうどん、「七山野菜の天ぷら」や「湯葉とじ丼」など、七山の旬を美味しくいただけるメニューがたくさんあるお店です。
今回いただくのは、「季節の柚里会席」。
前菜からデザート、食後のコーヒーまでついて大満足のお値段2000円の会席は当日注文もできますが、1日限定20食のため、事前予約が安心です。
この日のメインは「魚介のブイヤベース」
例えば秋の前菜は、高級食材「ツガニ」のミソが仕込まれた茶碗蒸しに、七山の伝統漬物「からぐろ漬け」の巻き寿司など。その季節に一番美味しい食材を知る店主が、料理してくれます。
この日のメインは「魚介とキノコのブイヤベース」。魚介のダシとキノコの旨味が凝縮されていて、パンがいくらあっても足りない美味しさでした。
デザートは焼きりんごとあんこのパイ、バニラアイス添え
七山産の食材をふんだんに使用したヘルシーで美味しいお料理は、いつ来ても季節感をたっぷり楽しめます。
揚げた山芋が入った温そばも美味しい!
お店にはテーブル席と座敷があり、すぐそばの鳴神公園と玉島川が見渡せるカウンター形式のテラス席も人気なんだとか。
特に、秋の鳴神公園は紅葉スポット。玉島川の飛石を渡る紅葉狩りデートも、おすすめです。
玉島川の飛石と柚里のテラス(右側)
お土産探しは、食事を終えた「柚里」の隣にある、七山の産直市場「鳴神の庄」へ。
七山の産直市場「鳴神の庄」
国道323号線沿いにある「鳴神の庄」は、七山でとれた新鮮な野菜や果物、地元のおばあちゃんたちが作った柚子胡椒、お漬物、よもぎ饅頭やあんもちなど、七山の美味しいものがズラリと並ぶ農産物直売所です。
朝一番は、生鮮野菜が所狭しと並びます
紅葉の時期には、鍋料理に欠かせない葉物野菜や根菜類がたくさん出荷されています。
帰りのドライブのお供に、美味しいみかんやお饅頭はいかがですか?
鳴神の庄無料駐車場をご利用ください。
澄んだ空気、四季を感じる開放感たっぷりの眺望が楽しめる「鳴神温泉 ななのゆ」は、若い人からお年寄りまで、多くの方が利用する温泉です。
泉質は、PH値10.1の高アルカリ性単純温泉。
ぬるぬるとした泉質が特長で、美肌の湯とも呼ばれています。
ここにしかない温泉体験ができる「ななのゆ」
中でもオススメなのが、露天風呂に設置してある、通称「ぬる寝湯」です。
山の空気の流れを感じながら、いつまでも入っていたくなるような絶妙な湯加減の寝湯。
浅瀬のようなお湯にじっくり横たわっていると、身体中の力が抜けて深くリラックスできる気がします。
これが”ぬる寝湯”!ぜひ体験してみて
入浴料は、4歳未満は無料。家族旅の立ち寄り先としても、覚えておきたい癒しスポットです。
鳴神温泉ななのゆは、無料駐車場があります。
区分 | 料 金 | |
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昼間 | 17時以降 | |
おとな (中学生以上) | 550円 | 440円 |
こども(4歳以上) ※4歳未満は無料 | 340円 | 240円 |
雄大な自然を満喫しながら、美味しいランチとゆったり温泉で癒される「大人デート」にぴったりの、「唐津市七山」。
今回紹介した場所やお店以外にも、見どころや食事・買い物を楽しめる場所はまだまだたくさん!また機会があれば、今度は別のテーマでご紹介していきます。
さて、次回の「3時間」はどこへ、お出かけしましょうか……?
取材・撮影・文:チーム「3 hours」