佐賀県基山町やそのまわりには、山と川、そして田んぼと畑がたくさん、それはもう、たくさんあります。
つまり、
地元に、
美味しいものが、
たくさん、ある!
そんな地域に暮らす皆さんの、普段の食卓に登場する定番料理を紹介する企画「畑のレシピ」。旬の食材の生産者や、ご近所のお料理上手さんに、レシピを教えていただきます。
今日からどなたかの食卓の一品に加えてもらえるよう、ほっこりやさしいイラストでお届けします。
今回のレシピの主役は、基山町の「キクイモ」。
町でおそらく初めてキクイモ栽培に取り組んだという久保山学さんの畑で獲れたキクイモを使って、お料理上手の増永さんが「料理とは言えないくらい簡単!でも美味しいの!」という、最強の時短レシピをご紹介します。
近年では、その健康効果にも注目が集まるキクイモ。見た目は生姜のようですが、実は生のまま、皮もそのまま食べるのがおすすめの食材なんだとか。火を通しすぎない、加熱しすぎない調理方法が理想です。
そこで知っておきたい基本のレシピが、「キクイモの酢の物」!
用意するものは…
切って混ぜて置くだけという、簡単3ステップで完成する衝撃の一品。
でも、キクイモはしっかり煮込んだりするとドロっと溶けてしまうから、仕方ない。このレシピが、キクイモ料理の大正解なのです。
箸休めにぴったりな、爽やかな酢の物の完成です。
キクイモはうす〜くスライスしてあるので、シャキシャキとした歯応えを楽しんでいると、あっという間に完食してしまいます。初めて食べる人は、ゴボウのような香りが鼻から抜ける体験に、驚くかもしれません。
それとも言うのも、キクイモの注目成分「イヌリン」は、ゴボウなどに含まれている水溶性の食物繊維。腸内環境を良くしたり、血中脂肪を減らしたり、食後の血糖値の上昇を抑える効果などが報告されています。ただし、長時間水分に浸けておくとイヌリンが減少してしまうそうなので、食べ切るのはお早めに。
今でこそ、基山町では地元スーパーや青果店で取り扱いのあるキクイモ。でも、一般的にはまだ珍しい食材と言えます。
「テレビで見て血糖値にいいと言っていたから、ネットで取り寄せて食べたら美味しかった。畑に植えたら、ほとんど手間もかからず良く育ったんよ」と語るのは、久保山学さん。
特別に、通常のキクイモよりもポリフェノールが豊富という、紫色の皮が特徴のキクイモを掘って見せてくれました。ポリフェノールには、抗酸化作用があります。
比較的簡単という、キクイモの栽培。その代わり、出荷する際にはしっかり土を落とす、一手間かけたこだわりの「手洗い」を行っています。私たちが手にするキクイモが皮ごと食べやすい姿をしているのは、地元農家さんたちの「皮に栄養がいっぱいあるんだから食べてもらわないと!」という熱い想いがあるからなんですね。
一年を通じて旬の野菜が置いてある、基山パーキングエリア「ふるさと名物市場」にも、学さんのキクイモが並んでいるそうですよ。
さぁ!
今日から、旬の食材をおうちで、お店で、美味しく食べてみませんか?
次回の「畑のレシピ」も、どうぞお楽しみに。
イラスト協力:橋本菜摘