「つつじ寺」の愛称で親しまれている佐賀県基山町の 天台宗別格本山 小松山観世音 大興善寺(てんだいしゅうべっかくほんざん こまつやまかんぜおん だいこうぜんじ)。
春はつつじ、秋は紅葉で参拝者を和ませてくれる古刹で、初夏は庭園の新緑と紫陽花が美しい場所です。
大興善寺は、奈良時代に高僧「行基(ぎょうき)菩薩」がこの地で草庵を結び、十一面観世音菩薩を刻み安置なされたことが寺の由来として伝承されています。
そんな大興善寺に訪れたのは、2023年5月初め。
参道で販売していたよもぎ餅に、さっそく”きゅん!”と心を奪われて。
毎年この時期に満開のつつじも今年は終盤を迎えていましたが、光を浴びて輝く青紅葉と藤の花がお出迎えしてくれました。
きゅん!とかわいい、尾崎焼の鈴。佐賀県有数の古窯で作られていて、大興善寺名物の石段(127段のきぼうの坂)とつつじをモチーフにしています。
本堂の鐘をよくよく見ると、鯉がいた!大興善寺は太宰府との縁も深く、梅モチーフの装飾も、探せば実はいろいろなところに隠れています。
さらに本堂の奥には「契園(ちぎりえん)」があり、四季おりおりの植物が出迎えてくれます。また、ここは全国115番目の「恋人の聖地」でもあり、縁起の良い山林植物園でもあります。
今回は特別に、ご住職の案内で茅葺屋根が特長の本堂内へ。秘仏であるご本尊「十一面観音菩薩」を安置している台座に彫られている、2体の獅子がたわむれる姿に”きゅん!”。
十一面観音菩薩様は12年に1度の御開帳で、次回の公開は2026年です。
「恋人の聖地」である大興善寺に併設された熊野神社。地元の氏神様が主役の、恋の伝説が聖地選定の理由にもなっているんだとか。
その他にも、境内には対馬藩主・宗家の御霊堂の屋根にも”きゅん!”となる華やかな彫刻が。対馬藩は、江戸時代には飛び地として田代領(現在の基山町・鳥栖市の一部)を治めていました。
こちらの門は普段閉まっていますが、撮影目的であれば、係の方に外からの見学を相談することができるかもしれません。
本堂や宗家御霊堂など、普段は一般公開されていない、古くて歴史のある建物が多い場所です。参拝マナーを守って、あなただけの”きゅん!”を探してみてくださいね。
春・秋は有料の大駐車場(700台収容)を利用ください。観光シーズン以外は、無料の参拝用駐車場があります。