基山町のJRけやき台駅前にある、基山SGK交流プラザ。みなさんご存知ですか?
交流プラザは分かるとして、この「SGK」とは、そもそも何を意味するのか。
聞けば「Senior makes great Kiyama」の略称、意訳すると「シニアが基山をより良くする」といったところでしょうか。基山町の新興住宅街であるけやき台はその特性上、定年退職したシニア層の人材が豊富なのでは?という発想から、2015年に役場主導のもと、けやき台の有志が集まって結成された住民団体が、「基山SGK」です。
基山SGKと名乗った結果、基山「SuGoKa(すごか)」プロジェクトと呼ぶ人も出てきているとか。
基山SGKでは、集まったメンバーの得意分野を生かし「部会」といったグループに分かれ、まちづくり活動を行なっています。そのうち「町カフェ部会」と「基山特産品推進部会」が一緒になって運営しているのが、今年の秋に1周年を迎えたカフェ「きやの里」です。
もともと旭化成の住宅部門の販売会社が入っていたこちらの建物、なんと基山SGKが活動拠点とする2015年までおよそ11年間も空き家状態だったそう!そのため活動は、まず窓に貼ってあった目張りをメンバーで剥がすところから始まったんだとか。
JRけやき台駅からロータリーを挟んで真向かいという、お出かけ前後にひと休みするには最高の立地!
基山SGK交流プラザの一角にある、カフェ「きやの里」の入り口。開店時間は10時から16時まで。土日祝日はお休みです。
晴れた日は、日当たりが良くてなかなか明るい店内。お店オープンの10時の時点で、すでにちらほらとお客様が。常連さんらしく、店員さんとのおしゃべりが弾んでいました。
店内のカウンターや商品棚は、そのほとんどが基山SGKメンバーによる手作りとのこと。基山SGKは事業収益の他に、基山町の助成を受けて活動をしていますが、助成金は設備投資や恒常的な人件費には使えないため、店員さんはなんと全員がボランティアだそうです。
こちらのお客様は「今日ここに来てるのは秘密なのよ♡」とふんわり笑いながら、お茶を一杯。手元には制作途中のハンドメイド作品を持参されていたようで、店員さんとの交流を楽しみながらゆっくりと、ご自身の時間を過ごされていました。
ちなみに、こちらのカフェではコーヒー1杯が100円です。なんと良心的なお値段!
きやの里では、基山町の生産者を中心におよそ20件の取引先から旬の野菜などを仕入れて販売もしています。野菜は形の悪いものもあったりしますが、ほぼ全てが100円均一状態とのこと!例えば取材日にはきゅうり8本入りで100円など、日によっては基山町内最安値と思われる商品がある、町内の穴場スポットかもしれません。
今回お話をうかがったのは、基山SGK「きやの里」部会長の亀山光衛さん。70代には見えない肌艶とこの笑顔!実は撮影をしながらおもむろに「おいくつですっけ?」と聞いたら、それまでのカメラに緊張していた表情が一転、素敵な笑顔で私の失礼な質問を許していただけました。年齢の話は、いくつになってもセンシティブな話題…すみませんでした!
きやの里オープンから1年がたち、基山SGKとして次なる目標は、「若者にも来てもらえるようなお店作り」。駅前の立地を生かして、世代の垣根を超えて人が集まれるような空間づくりをしたいと、その夢は広がっています。
一方、そのためには課題もいくつかあるとお話しされていました。例えば、誰でも入りやすい「カフェらしい」入り口の雰囲気作りや、営業日時の見直しなどなど…。今年8月には21時まで営業時間を延長し納涼祭を開催、帰宅途中のサラリーマンたちにビールを振る舞う試みを実施されたり、すでにその試行錯誤は始まっているようです(ちなみに納涼祭は最終的に基山SGKメンバーの大宴会と化し、大いに盛り上がった結果、赤字会計になってしまったとのこと…みなさん本当にお元気!)。
主にけやき台の地元の方と交流できる、旬の野菜が基山町内最安値かもしれない穴場スポット「きやの里」。
この場所が、シニアも若者もお互いが理解しあえる機会、出会いがある場になる可能性を信じながら、これからもカフェや基山SGKの活動を見守っていきたいと思います。
JRけやき台駅前すぐ
基山SGK事務所 TEL: 0942-50-8035