4月中旬、基山町に春の花の季節がやってきましたね。
つつじが見頃を迎えるころ、「しゃくなげ」も佐賀県各地で旬の花として話題にのぼります。
シャクナゲ (石楠花、石南花) は、ツツジ科ツツジ属 (Rhododendron) 無鱗片シャクナゲ亜属、無鱗片シャクナゲ節の総称である。
今回は基山町の春の観光シーズンに合わせて、しゃくなげ自慢の町内のお寺に注目してみました!
基山町でしゃくなげを愛でる場所の代表格が、園部にある吉祥寺。文明6年(1474年、室町時代)創建の歴史あるお寺です。桜の名所として、その敷地内にある亀の甲池はすでにレポートしました。
吉祥寺では桜が終わると、しゃくなげの季節が始まります。
敷地内、本堂の向かい側にある山肌に、およそ1000本のしゃくなげが咲きます。最初に咲き始める和しゃくなげが満開となってから、洋しゃくなげが咲き始めるそうで、4月中いっぱいは優しいしゃくなげの彩りを楽しむことができそうです。
どうやら広大な敷地を持つ、吉祥寺。本堂以外にもお御堂がたくさんあります。
そして敷地内を散策して気づいたこと…基山町・吉祥寺の見どころは、「桜」「しゃくなげ」だけではなかったのです!
本堂脇にある、凡鐘。本堂にお参りする前に、誰でも鳴らして良い鐘だそうです。
大晦日じゃなくても、特に指定の時間があるわけでなく、来訪者は突いて良いそうで…取材チームも遠慮なく突かせていただきました。耳の奥に最後まで残る重厚な音が、敷地一帯に響き渡ります。鳴らしすぎにはご注意ください。
本堂は出入り自由。寺務所に声をかければ、本堂やその他のお御堂で、写経体験もできるそうです。
仏様の前には、なんだか珍しいものがちらほらと…。例えば「幸運だるまくじ」は木製のだるまの中におみくじが入っていて、持ち帰ってお守りにもなるそう。紅白のだるまさん達は、手のひらにすっぽり収まるサイズで可愛らしいです。
そして、来訪時に体験すべきなのが本堂地下にある「御浄土巡り」!お寺によって「戒壇めぐり」「胎内めぐり」とも呼ばれる、珍しい空間が吉祥寺にはあります。
御浄土巡りは、大慈悲殿(本堂)の地下を一周して、御大師様、釈迦如来、御法蔵様に御宿縁を戴く道です。
吉祥寺HPより
ゴールに何があるのかは、迷路気分で入ってみてのお楽しみ…ですが、大人でも「無」を感じて足がすくむほど、周囲に一切の光を感じられない瞬間が訪れます。
非日常の異空間が、本堂下には広がっていました。
吉祥寺はその昔、かの弘法大師が九州行脚の時、仁王経を読まれたという場所。滝行ができる場所もあり、せせらぎに掛かる橋を渡ると、あたりの雰囲気が一変します。
中でも、どことなく愛嬌のあるお顔立ちの不動明王像が存在感を放っています。お寺の方曰く、吉祥寺のお不動様は人々のさまざまな願い事を聞いて下さる方。長い歳月を経て、多くの方々
そのご利益は確かだそうで、今までにも多くの方に救いの手を差し伸べられてきたんだそう!キャラクターのような親しみやすさがある一方、目には厳しさもあり…そのパワー、ぜひ近くで感じられてください。
そして、吉祥寺には大きな阿弥陀像も!しかもその足元近くまで「登る」ことができます。
大仏の裏側に回り込むと階段があり、靴を脱いで上がっても良いとされています。階段脇には細かな意匠が凝らされているので、じっくり眺めてみるのもまた、面白いです。
敷地が広い分、見どころ盛りだくさんの吉祥寺。見て触って体験して、楽しかったり怖かったり…さながら、仏の世界を感じるテーマパークのような場所です。
女性陣や子どもたちの「カワイイ」アンテナに反応したあれこれ…同じくアンテナにビビッときた方は、ぜひ現地までお出かけして、吉祥寺の秘められた魅力を再発見してみてください。
春は桜に、しゃくなげに、野花に、苔むした仏像からゴムのあひるちゃんまで…インスタ映えも抜群です!
しかし何故、こんなに盛りだくさん、可愛らしいものがお寺の敷地内に点在しているのか?
吉祥寺のご住職にお話をうかがったところ、吉祥寺は基本的に「開かれたお寺」。
お寺の年間行事以外にも、夏休みに子どもたちを対象にした「修行」合宿があったり、PTAの保護者たちの研修会が行われていたり、するそうです。またお寺では「おたずね」と呼ぶ、引越し先や不動産の「相」「方角」を見たり、相談者の運勢・運気を見ながらよろず相談のようなことも日頃から行なっているらしく、お寺には家族でお見えになる方が多いとのこと。
その特性上、敷地内で子どもたちが楽しめるように、飽きないように、工夫を凝らされているとおっしゃっていました。
また真剣にお参りされている方に配慮し、寺院でのマナーを守れば、いつでも親子で遊びにうかがって良いそうです。お寺に迷惑をかけたり、雰囲気を損なうような大暴れはNGですが…基山町の穴場的エンタメ寺院「吉祥寺」の魅力を来訪者の皆で、再発見していきたいものですね!
TEL: 0942-92-2128