2024年12月1日、今年で第33回目となる「きやまロードレース大会」が開催されました。同日開催のきやまスロージョギング®大会は「世界初」のスロージョギング大会として始まり、今回が記念すべき第10回目でした。
2024年の大会当日は、見事な晴天。1キロから10キロまで7つの部に分かれて、小学生以上のランナーたちが年齢別に、各時間帯に分かれて走ります。
1500名を超えるランナーが、福岡県など近隣地域からはもちろん、はるばる北海道からも基山町に集まりました。
毎年、きやまロードレース大会は事前申し込み制。有料での参加となり、参加料は一般・シニア 2800円、高校生 1200円、小中学生 700円。運動部の子どもたちには恒例行事のような、大会です。
着替えなどの荷物は、会場内に預り所があります。ボランティアスタッフの中には、中学生も参加していて、地元の大会を一生懸命サポートしていました。
選べる参加賞は、スタート前から引き換え可能です。基山特産の賞品の中でも、特にお米や地元企業・サンポー食品のカップラーメンの詰め合せが人気のよう。
会場には、地元店舗によるフライドポテトや和菓子など、たくさんの出店が並びます。応援する人達も、お祭りのような空間です。
今回は、編集部ライターとして初参加の、10㎞の部にエントリー。
事前の取材によると、基山ロードレース大会のコースの特徴は、山間部の町らしく「アップダウン」とのこと。経験者からは、「序盤の下り坂」を攻略するというアドバイスをもらって、いざスタート!
基山町役場前をスタートし、しばらく走ると「憩の家」に差し掛かる、登り坂が待ちうけます。レース序盤なので、ここは容易に駆け上がれます。
この後こそが、攻略すべき下り坂。序盤の勢いに任せて一気に駆け下りたくなるところですが、グッと我慢するのがポイントです。
はやる気持ちをこらえて、スピードを抑えて坂を下ります。そしてここから、”つつじ寺”大興善寺がある契山方面に向かう長い長い、登り道へ。
下りの傾斜は、実は足腰に負担がかかるもの。先ほどの下り坂を勢いよく走ってしまうと、その後に長く続く登り道の体力が保てず、ランナーのペースが崩れてしまうそうです。
事前のアドバイスのおかげで、難所を乗り切り、登り道を一定のペースで走ります。
大興善寺の手前が、折り返し地点。ここで、ようやく緩やかに続いていた登り道が終わります。
ここからはしばらく下り道。登り道で溜まった疲れを回復しつつ、下りの勢いを利用して走ります。
山手の園部エリアは田んぼや畑が多く、のどかな風景が印象的です。基山町の農村エリアらしい、のんびりとした時間が流れます。
沿道には、地元の方々が家の前や給水ポイントの所で応援してくれます。後半の疲れが出てくる頃に、ランナーにはこれがとても励みになります。
終盤には、あの序盤の坂が再び。最後の気力を振り絞って、登り切ります。
ゴールが近づく頃には、アップダウンによる変則的なコースの魅力に、すっかり虜になるほど。ゴールするのが惜しいと思ったのは、初めての体験でした。
参加者の中には、サンタクロースやキャラクターの被り物をしたランナーや、素敵な応援グッズを準備して応援する人達もいて、それぞれの楽しみ方で大会を満喫していました。
会場ではランナーのために、温かな飲み物のおもてなしも。心も体も温まります。
きやまロードレース大会は、山間部ののどかな景色を楽しみつつ、運営のボランティアや沿道で声援を送る地元の皆さんのおもてなしに心満たされる、アットホームな大会でした。毎年、参加を楽しみにしているというリピーターが多いのも納得の、地域のホスピタリティを体験できました。
なにより、コースの特徴であるアップダウンは一度走るとやみつきになること必至!?
記録も大切ですが、子どもから大人まで、楽しく参加できるランニングイベント。大会エントリーは毎年、8月から9月にかけて、インターネットや電話、郵送などで募集が行われます。
取材・執筆:溜渕 たかひろ
撮影:溜渕たかひろ、江藤裕子