2021年4月25日、佐賀県内で初めて、基山町で65歳以上の住民を対象にした新型コロナウイルスワクチンの集団接種が始まりました。場所は、きやま鹿毛医院。現在は入院病棟が使われていない民間病院が会場を提供し、集団接種に全面協力しています。
ワクチン接種は事前予約制で、集団接種はこれから毎週日曜日に実施。1日最大280名が接種を受けることができます。
集団接種は、朝の9時からスタート。午前・午後とそれぞれ140名、30分ごとに約25名が接種を受けます。予約した接種時間の15分前から、受付が始まります。
会場内での受付や誘導は、基山町役場職員およそ30名が担当。手指の消毒・検温を行ってから、予約確認の受付に進みます。その後、一階フロアで予診票の確認を終えてから、二階フロアの接種会場にエレベーターを利用して移動します。
二階では医師による問診を受け、健康状態をチェックされてから、いざ、ワクチン接種!
接種室は3つのブースに仕切られており、同時に3人の注射ができるよう、準備が整えられています。
ワクチン接種は、筋肉注射。そのため、血管を探すような手間がなく、針が腕に刺さるのは一瞬です。注射針は細く、当日接種した人からは「痛みはほとんど感じなかった」「インフルエンザの予防接種より痛くない」という声も。
接種室を出てすぐの場所で、まず「接種済証」を受け取ります。そして、接種直後の万が一の体調変化に備えて、15分から30分ほど待機します。
待機室は全部で4部屋が用意されおり、接種が進むにしたがって利用される部屋が移動。接種を受けた人が完全に退出してから、消毒を行い、順番に再利用する段取りになっていました。
2回目のワクチン接種の日時は、3週間後に自動的に予約受付がされています。うっかり忘れてしまわないよう、スケジュールの確認は必須です。予約日の変更にも対応しており、配布されている資料はしっかり読み込んだほうが良さそうです。
接種後、予期せぬアナフィラキシー、ショックなどで体調が急変した場合でも、待合室の向かい側にある対応室があるので安心です。
体調に変化がなければそのまま一階に降りて、帰路につきます。
ワクチン集団接種を決定してから、関係者総出で検討を重ねシミュレーションを行なってきた基山町役場。
緊張の中、迎えた本番は受付から接種完了まで、とてもスムーズに進んでいました。所要時間は、会場に入ってから出るまで30分にも満たない印象。集団接種を受ける際は、焦らず慌てず時間通りに会場に到着した方が、結果的に待ち時間が少なくなりそうです。
現在のワクチン接種対象者は65歳以上のため、家族による送迎なども想定されますが、きやま鹿毛医院の無料駐車場が満車になることはありませんでした。無料の循環バスも、運行しています。
各自治体で独自に行われる、ワクチンの集団接種。接種を受ける側として、気をつけたいポイント・注意点をまとめました。
基山町で接種されるワクチンは、ファイザー社のmRNAワクチン。
このワクチンは、発症予防効果は約95%と報告されています。ただし、冷凍温度帯での保存が必要で、一度解凍してしまうと、その後5日間のうちに使用しなくてはいけません。また、解凍後は安定性が損なわれるため、たとえ町内であっても移送することができません。
ワクチンを無駄にしないために、基山町ではキャンセル扱いになった予約分は、町内の高齢者施設のスタッフや入居者に協力を仰ぎ、優先的に接種する段取りになっているそう。キャンセル数は事前に把握できた方が、関係者接種の調整がしやすくなります。
町のワクチン管理に協力するために、体調不良や急な都合でキャンセルする場合は、早めに担当窓口に連絡するようにしましょう。別日程で接種を希望する場合は、もう一度、個人で予約しなおす必要があります。
ワクチン接種の注射は、右肩もしくは左肩に近い二の腕外側に行われます。
そのため、肌寒い季節は、脱ぎ着しやすい長袖の下に半袖やノースリーブのトップスを着用しておいた方が、段取りよく接種を受けることができます。
ワクチン接種をしてから数時間後、注射した方の腕に痛みが出てくることがあります。
すでに二度の接種を完了しているという鹿毛医院のスタッフによると、注射してから3時間ほど経過して痛み・かゆみが出てくる人が多かったそう。腕全体に痛みがあり、腕を動かしにくいと感じる人もいたそうです。厚生労働省の情報によると、国内での臨床試験の結果、接種した人の8割以上が感じる症状とのこと。
また、二回目の接種の方が体調に影響が出るという噂も、これまでのデータで裏付けられている傾向であり、事実のよう。腕の痛みの他、疲労感や頭痛、発熱など風邪症状が出る場合があります。
ワクチン接種の翌日〜数日は休んだり、予定を入れないよう、体調管理の備えをしておいた方が良さそうです。
ワクチン接種の案内は、基山町内の65歳以上の元に、すでに封書で届いています。今後も、郵便でワクチン接種対象者の元に必要書類が届くことになります。
2021年4月現在、予約は電話のみで受け付けられており、LINEおよびWEB予約は休止中。都心部に住むお孫さんに会いたい一心でワクチン接種の案内を待ち構えていたという方は、ポストから封書を取り出してその場ですぐに電話、すぐに予約ができたというエピソードを教えてくださいました。
また基山町役場によると、町内の医療機関・かかりつけ医のもとで個別接種を希望される方向けに、2021年5月12日(水)から予約の受付が始まるそう。個別接種は、医療機関の開業時間のみの対応です。
つまり、5月中旬ごろからは、基山町民のワクチン接種は「日曜日の集団接種」「平日の個別接種」の選択肢を選ぶことができるようになりそうです。
予約専用ラインアプリ及び予約専用WEBでの予約は、5月2日、5月9日の申込が満杯になり、5月16日以降の予約ができない状態となっています。
2021年4月現在は、基本的に電話での予約申し込み受付となっています。