2023年7月7日から続いた大雨で、人命が失われるほど大きな被害があった、佐賀県唐津市。多くの林道や田畑が壊滅的な被害を受け、高齢化が進む農業従事者への影響も懸念されています。
大字基山のお出かけ企画「3hours」にも登場した唐津市七山エリアから、被災直後の様子が届きました。
2023年7月10日に、佐賀県唐津市七山で大雨特別警報が発令。土砂崩れで、県道や市道などが寸断されました。
市道でもある滝川川に架かる「森の木橋」も崩落し、一時は49世帯約100名が孤立、停電や断水などライフラインを絶たれた地区もありました。
基山町と同じく、佐賀県山間部の七山では、民家や田畑に土砂が流れ込む深刻な被害も。
地元の人からの報告によると、確認されているだけで、家屋損壊は17件。農地はそれ以上で、たとえ収穫物や商品があっても、停電による保管の問題や泥汚れで、販売再開が難しい場合もあります。
多くの山間部と同じく住民の高齢化が進む七山は、第一次産業人口の割合が 48.5%と約半数を占め、農業や畜産が主な収入源の地域。
春に蒔いた種が芽吹き、収穫が始まった矢先の今回の大雨による被害は、主要産業への長期的な影響をまぬがれられません。
また、観光名所である「観音の滝」遊歩道も被災。しばらくは、立ち入り禁止が続くことでしょう。夏には川遊びに訪れる県外客も多いという、観光業も打撃を受けています。
前代未聞という大きな被害を前にして、地域おこし協力隊をはじめ地域住民による支援活動がさっそく立ち上がっています。
被害の全貌が見え始めた7月14日には、クラウドファンディングがスタート。
この「七山の農家さんを助け隊」は、InstagramやLINEなどで支援状況を逐一報告しています。その強力なフォローアップとスピード感でSNSを中心に支援が集まり、返礼品なしにも関わらず、わずか1日で目標額およびセカンドゴールを達成。
現在は8月15日の期日までサードゴールである総額500万円の義援金を目指して、「七山の農家さんたちを励ましたい!見たことのない景色を見せたい!」と獅子奮闘のPRを展開しています。
また、若い世代の住民を中心に、七山エリア内のお店で募金箱を設置するという動きも。観光客の足が鈍ることが予想される中、少しでも地域支援に役立てたいという心意気です。
募金箱の設置場所(7/17時点、リンクはホームページもしくはInstagram)
- 鳴神温泉 ななのゆ(住所:〒847-1106 佐賀県唐津市七山滝川1150)
- 農産物直売所 七山鳴神の庄(住所:〒847-1106 佐賀県唐津市七山滝川1048-3)
- 柚里(〒847-1106 佐賀県唐津市七山滝川1048-3)
- 森のハンバーグ工房 ゆみさんち(〒847-1106 佐賀県唐津市七山滝川938-1)
- 食事処 ふゅうじょん(〒847-1105 佐賀県唐津市七山仁部1097−6)
- ファニーななやま(〒847-1106 佐賀県唐津市七山滝川540−2)※7/18営業再開
- SMOKY MOUNTAIN(〒847-1107 佐賀県唐津市七山滝川995−1)
唐津市七山で大きな被害を免れた飲食店や直売所、温泉は、通常営業を行なっています。
上記の場所で集まった募金は、すべて「七山の農家さんを助け隊」クラウドファンディングに寄付されるそう。
なお、支援の一環でお出かけする際には、大字基山で公開中の記事も参考になるはず!募金箱が設置されているお店も、立ち寄り先として紹介しています。
佐賀県では、災害ボランティアの募集も始まっています。七山をはじめ、唐津市や佐賀市の被災エリアを対象に、支援活動が広く求められています。
毎年のように、梅雨が明けるまで、全国各地で線状降水帯が発生するようになりました。
被害を受けた各地で、近郊地域の力が結集し、支援の輪が広がることを願っています。